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彼女が好きなものは

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Introduction

 ゲイであることを隠して生きる高校生の純と、BL好きであることを秘密にしているクラスメイトの紗枝。思いがけず接近した二人は、紗枝が純のセクシュアリティを知らないまま、“ふつう”の男女としてつき合い始めるが……。

 2019年に「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化されて話題を呼んだ、浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。セクシュアルマイノリティの男子高校生と、BLをファンタジーとして享受していた女子高生が、生身の相手を通して自分や世間の壁に向き合うこの青春小説は、当事者の苦悩や生きづらさ、世の中の無知と誤解が引き起こす暴力、誰の心にも潜む無意識の偏見をひとつひとつ紐解いてみせる。それらと闘い、傷を負いながら自らの生き方を切り開いていく若者たちの物語が、このたび次世代期待のキャストで映画化。原作の問いかけを受けとめて一つのアンサーを見出した。

 異性と結婚し、子供をもうけて、家庭を築く。自らのセクシュアリティを自覚する一方で、長くスタンダードとされてきたそんな幸せの形を諦めきれず、葛藤する主人公・純を演じたのは神尾楓珠。雑誌「ViVi」のNEXT国宝級イケメンランキング1位に選ばれ、圧倒的なビジュアルに裏打ちされた存在感で、激しくせめぎ合う十代の繊細な心を力強く体現し、生きた魂を刻みつけた。
BLの世界に傾倒しながらも、恋人がゲイであったという現実を受けとめきれず、戸惑う紗枝を演じたのは山田杏奈。『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)『樹海村』(21)『ひらいて』(21)と主演作の相次ぐ新鋭が、未知の世界を知って新しい扉を開ける恐れを思春期の輝きに変え、本領を発揮している。

 紗枝に密かな好意を寄せつつ、友人として純の支えになる亮平には『キネマの神様』(21)やNHK連続テレビ小説「おちょやん」(20)などの前田旺志郎、セクシュアリティを偽っていた純に牙を向ける小野にはこれが映画初出演となる三浦獠太、紗枝に寄り添う親友のくるみには『許された子どもたち』(20)などの池田朱那がオーディションで抜擢。純の恋人・誠に扮したのは今井翼。自分のアイデンティティに悩む純にかつての自分を重ねるように優しく寄り添う。また、『僕の好きな女の子』(19)などの渡辺大知、2021年カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21)の三浦透子、シングルマザーである純の母親・みづき役に山口紗弥加、さらに謎のキーパーソン「Mr.ファーレンハイト」に磯村勇斗と実力派キャストが脇を固めている。

 監督をつとめたのは、学生時代に自主映画からキャリアをスタートさせた、『にがくてあまい』(16)『世界でいちばん長い写真』(18)の草野翔吾。撮影は『泣く子はいねぇが』(20)で第68回サン・セバスティアン国際映画祭最優秀撮影賞を受賞した月永雄太、照明は『万引き家族』(18)で第42回日本アカデミー賞最優秀照明賞に輝いた藤井勇、美術は『スパイの妻』(20)『子供はわかってあげない』(21)の安宅紀史ら熟練のスタッフたちが集結し、瑞々しい青春映画の舞台を作り上げた。

 漫画からドラマ化された「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」や、タイのテレビドラマ「2gether」が国境を超えて人気を誇るなど、いまやパワーコンテンツとなったBL市場。しかし、エンタテインメントに昇華される一方で、私たちが生きる社会には多様な価値観を受け入れることへの根強い壁がある。大切なのは、少数派と多数派を被害者と加害者に分断するのではなく、どの立場であっても自分ごととしてとらえること。十代の登場人物たちが自分たちで踏み出したその第一歩は、大いなる勇気を与えてくれるに違いない。

Story

【ゲイ】であることを隠している僕
【BL好き】を隠している彼女
交わるはずのなかった二人の出会い、告白、そして―。

⾼校⽣の安藤純(神尾楓珠)は⾃分がゲイであることを隠している。
ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同⼠の恋愛をテーマとした、いわゆるBLマンガを購⼊しているところに遭遇。
BL好きを隠している紗枝から「誰にも⾔わないで」と口止めされ、そこから2人は急接近。しばらしくて、純は紗枝から告白される。
「⾃分も“ふつう”に⼥性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。
一縷の望みをかけ、純は紗枝の告⽩を受け⼊れ、付き合うことになったのだが・・・。

Cast Profile

Original

原作:浅原ナオト

2016年『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』をWEBに発表。
18年に同作が書籍化されデビュー。
主な著作に『御徒町カグヤナイツ』『#塚森裕太がログアウトしたら』『今夜、もし僕が死ななければ』など。
2021年11月に『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の続編、『彼女が好きなものはホモであって僕ではない 再会』が角川文庫より発売予定。

Comment

原作執筆時、「同性愛」ではなく「同性愛者」の話を書こうと……
別に思っていませんでした。
でも、結果的にそうなりました。普通になりたい願望と、普通になれない現実。
「好きな相手が同性でもいいと思うよ」では片づかない複雑な内面を書いた物語は、多くの方の共感と好評を得て、映画化にまで至りました。その複雑さはこの映画にもしっかり残っていると思います。まずはお楽しみ頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

Staff Profile

1984年生まれ。群馬県出身。早稲田大学社会科学部在学中に長編監督作『Mogera Wogura』が一般劇場で上映。2012年、自らの故郷を舞台にしたオリジナル脚本の長編映画『からっぽ』が国内外の映画祭に選出。2016年には川口春奈、林遣都を主演に人気漫画原作の『にがくてあまい』を監督。2018年には高杉真宙主演・誉田哲也原作の『世界でいちばん長い写真』の脚本・監督を務め、青春映画として秀作を生み出した。
また連続ドラマ『レンタルなんもしない人』、『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』のメイン監督や、ミュージックビデオ、ライブの映像演出など、映画以外の作品も多数手掛けている。

1966年、東京都生まれ。1994年、佐々木浩久監督の『情熱の荒野』で映画音楽作曲家としてデビュー。黒沢清監督『CURE』(97)『LOFT』(06)他、現在までに50作を越えるドラマ・映画の劇伴を手がける。近作は『ボイス110緊急指令室』(日本テレビ系/19)、『愛がなんだ』(今泉力哉監督/19)、『mellow』(今泉力哉監督/20)など。
1976年、静岡県生まれ。1999年、日本大学芸術学部映画学科卒業。主な作品には映画『スマホを落としただけなのに』(中田秀夫監督/18)や『モリのいる場所』(沖田修一監督/18)など。映画『泣く子はいねぇが』(佐藤快磨監督/20)では、第68回サン・セバスティアン国際映画祭オフィシャルコンペティション部門にて最優秀撮影賞を受賞。
福岡県生まれ。平成21年に設立された株式会社照太郎に所属する。熊谷秀夫、上田なりゆ きらに師事し、2002年に技師としてデビュー。主な作品に、『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督/12)、『私の男』(熊切和嘉監督/14)など。2019年、是枝裕和監督の『万引き家族』(19)にて、第42回日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞する。近作は『おらおらでひとりいぐも』(沖田修一監督/20)、『名も無き世界のエンドロール』(佐藤祐市監督/21)がある。
日本映画学校卒。Cinema sound works 株式会社に所属する。主な作品に映画『青鬼 ver.2.0』(前川英章監督/15)、『クロスロード』(すずきじゅんいち監督/15)、『五億円の人生』(文晟豪監督/19)など。近作は、映画『小説の神様 意味としか書けない物語』(久保茂昭監督/20)、『実りゆく』(八木順一朗監督/20)、『新 デコトラのシュウ 鷲』(香月秀之監督/21)、劇場版『きのう何食べた?』(中江和仁監督/)がある。草野監督作品は『世界でいちばん長い写真』(18)を担当。
1971年、石川県生まれ。主な作品に映画『横道世之介』(沖田修一監督/13)、『モリのいる場所』(沖田修一監督/18)など。近作では、映画『スパイの妻 劇場版』(黒沢清監督/20)、『あのこは貴族』(岨手由貴子監督/21)など。
映画美学校卒。主な作品に『私の男』(熊切和嘉監督/14)、『クリーピー 偽りの隣人』(黒沢清監督/16)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(廣木隆一監督/17)、『羊の木』(吉田大八監督/18)、『モリのいる場所』(沖田修一監督/18)、『ステップ』(飯塚健監督/20)など。
映画『闇金ウシジマくん Part3』(山口雅俊監督16)、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』(山口雅俊監督/16)でスタイリストを務める。近作には『宇宙でいちばんあかるい屋根』(藤井道人監督/20)がある。
東京生まれ。2007年から約2年半RIKA TANAKAに師事。2009年よりフリーランスとして独立。現在は映画、MV、CM、広告、カタログ等、幅広く活躍中。主な作品に『愛がなんだ』(今泉力哉監督/19)、『星の子』(大森立嗣監督/20)、『風の電話』(諏訪敦彦監督/20)、『あの頃。』(今泉力哉監督/21)、『くれなずめ』(松居大悟監督/21)など。
広島県生まれ。2008年に株式会社アクティブシネクラブに入社。主な作品に『さようなら』(深田晃司監督/15)、『いただきます みそをつくる子どもたち』(オオタヴィン監督/17)、『いただきます ここは、発酵の楽園』(オオタヴィン監督/20)など。草野監督作品では『ドラマ レンタルなんもしない人』(BSテレビ東京/20)を担当。
1990年、埼玉県生まれ。フリーランスフォトグラファーとして雑誌、広告、カタログ、アーティスト写真など幅広く活動。映画では、映画『アルプススタンドのはしの方』(城定秀夫監督/20)、映画『ナポレオンと私』(頃安祐良/21)のスチールを担当。個展や写真集なども精力的に発表しており、俳優 笠松将を一年に渡り追った写真集『Show one's true colors.』が代表作となる。
安藤純:神尾楓珠

安藤純:神尾楓珠

1999年1月21日生まれ。東京都出身。2015年、24時間テレビドラマスペシャル「母さん、俺は大丈夫」(NTV)で俳優デビュー。2019年にはTVドラマ「左ききのエレン」で連続テレビドラマ初主演。話題となったドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」への出演以降、映画『HiGH&LOW THE WORST』(19/久保茂昭監督)、『転がるビー玉』(20/宇賀那健一監督)、『私がモテてどうすんだ』(20/平沼紀久監督)、『ビューティフルドリーマー』(20/本広克行監督)、『樹海村』(21/清水崇監督)など多数の出演作が続く。
公開待機作には、『20歳のソウル』(22年公開/秋山純監督)がある。

三浦紗枝:山田杏奈

三浦紗枝:山田杏奈

2001年1月8日生まれ。埼玉県出身。2011年に「ちゃおガール☆2011オーディション」でグランプリを受賞。映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16/宮藤官九郎監督)で映画初出演。映画『ミスミソウ』(18/内藤瑛亮監督)で映画初主演を務め、『小さな恋のうた』(19/橋本光二郎監督)では第41回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞した。近年の主な出演作にドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(20/W主演)、映画『名も無き世界のエンドロール』(21/佐藤祐市監督)、W主演映画『樹海村』(21/清水崇監督)など多数の出演作が続く。公開待機作には、主演映画『ひらいて』(21年公開/首藤凜監督)などがある。

高岡亮平:前田旺志郎

高岡亮平:前田旺志郎

2000年12月7日生まれ。大阪府出身。2007年から2歳年上の実兄の前田航基とともにお笑いコンビ「まえだまえだ」として活躍。映画『奇跡』(11/是枝裕和監督)では兄とともに主演を務めた。映画『レミングスの夏』(17/五島利弘監督)では初めて単独主演を務める。NHK連続テレビ小説「おちょやん」(20/NHK)にも出演し、注目を集めた。近年の出演作には映画『超・少年探偵団NEO Beginning』(19/芦塚慎太郎監督)、『キネマの神様』(21/山田洋次監督)、『うみべの女の子』(21/ウエダアツシ監督)などがある。

小野雄介:三浦獠太

小野雄介:三浦獠太

1997年9月5日生まれ。東京都出身。2019年、テレビドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)で俳優としてデビューした。以降、土曜プレミアム「4つの不思議なストーリー~超常ミステリードラマSP」(20/フジテレビ系)、「君と世界が終わる日に Season2」(21/Hulu)、「コントが始まる」(21/日本テレビ系)など、出演作が続く。

近藤隼人:渡辺大知

近藤隼人:渡辺大知

1990年8月8日生まれ。兵庫県出身。高校在学中の2007年にロックバンド「黒猫チェルシー」を結成。ボーカルを務める。2010年にミニアルバム『猫Pack』にてメジャーデビュー。音楽活動と並行して、映画『色即ぜねれいしょん』(09/田口トモロヲ監督)で俳優デビュー、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。監督としても才を発揮し、初監督作映画『モーターズ』(14)では、PFFアワード審査員特別賞を受賞。以降、映画『ギャングース』(18/入江悠監督)、『見えない目撃者』(19/森淳一監督)、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(19/箱田優子監督)などに出演し、映画『僕の好きな女の子』(20/玉田真也監督)では主役を務めた。

佐倉奈緒:三浦透子

佐倉奈緒:三浦透子

1996年10月20日生まれ。北海道出身。2002年にサントリー「なっちゃん」のCMで2代目なっちゃんとしてデビューし、その後多数の映画に出演。女優のみならず歌手としても精力的に活動しており、映画『天気の子』(19年/新海誠監督)ではRADWIMPSが手掛けた主題歌楽曲のボーカリストとして参加している。昨年、初のオリジナル作品となる1st mini album「ASTERISK」を発売。主な出演作に、映画『私たちのハァハァ』(15年/松居大悟監督)、『月子』(17年/越川道夫監督)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18年/冨永昌敬監督)、『ロマンスドール』(20年/タナダユキ監督)、『おらおらでひとりいぐも』(20年/沖田修一監督)など。今後は、『ドライブ・マイ・カー』(21/濱口竜介監督)ではヒロインを務め、『スパゲティコード・ラブ』(21/丸山健志監督)の公開が控えている。

今宮くるみ:池田朱那

今宮くるみ:池田朱那

2001年10月31日生まれ。群馬県出身。2019年、ゲームアプリ「八月のシンデレラナイン」のCMに出演し、「令和の野球女子」と注目される。近年の出演作には、『ミスミソウ』(18/内藤瑛亮監督)、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(19/河合勇人監督)、『許された子供たち』(20/内藤瑛亮監督)、『衝動』(21/土井笑生監督)など。2022年公演予定の舞台「群盗」ではヒロインに抜擢。

Mr.ファーレンハイト:磯村勇斗

Mr.ファーレンハイト:磯村勇斗

1992年9月11日生まれ。静岡県出身。2015年テレビドラマ「仮面ライダーゴースト」(テレビ朝日系)で頭角を現し、N H K連続ドラマ小説「ひよっこ」(17)で脚光を浴びる。その後、ドラマ「今日から俺は!!」(18/日本テレビ系)では、第14回コンフィデンスアワード・ドラマ賞新人賞を受賞。主な出演作に映画『春待つ僕ら』(18/平川雄一郎監督) 、『恋は雨上がりのように』(18/永井聡監督) 、『新解釈・三国志』(20/福田雄一郎監督) など。近年は『ヤクザと家族 The Family』(21/藤井道人監督) 、『東京リベンジャーズ』(21/英勉監督)、『劇場版 きのう何食べた?』(21/中江和仁監督)など話題作に多数出演。

安藤みづき:山口紗弥加

安藤みづき:山口紗弥加

1980年2月14日生まれ。福岡県出身。TVドラマ「若者のすべて」(94/フジテレビ)で主人公の妹役としてデビュー。以降、「僕と彼女と彼女の生きる道」(04/CX)、「コウノドリ」(15/TBS)、「おんな城主 直虎」(17/NHK)、「ようこそ、わが家へ」 (15/CX)などの話題作に多数出演。38歳の時に「ブラックスキャンダル」(18/YTV)で連続ドラマ初主演を果たし、以降も「絶対正義」(18/THK)、「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」 (20/TX)、「ドリームチーム」(21/NHK)などで主演を務める。ほか、主な映画作品に『のんちゃんのり弁』(09/緒方明監督)、『人魚の眠る家』(18/堤幸彦監督)、『コンフィデンスマンJP』(19/田中亮監督)、『糸』(20/瀬々敬久監督)『明日の食卓』(21/瀬々敬久監督)などがある。

佐々木誠:今井翼

佐々木誠:今井翼

1981年10月17日生まれ。神奈川県出身。1995年より芸能活動を始め、歌手、俳優、タレントとして多彩に活躍。近作では、TVドラマ「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」(16/ NHK総合)、「屋根裏の恋人」(17/フジテレビ系)、大河ドラマ『麒麟がくる』(20/NHK)、TVドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」(20/日本テレビ系)などに出演し、ミュージカル「ゴヤ-GOYA-」(21)では主演を務める。